月影
家に帰ると、玲子は一緒に酒を飲もう、と言って、つまみを少し作り、それとビールの缶を二本持ってきた。

「…もう、いなくなって一年以上が経つのね」

言って、一冊の分厚い本のようなものを持ってきた。

「もう、長いことこれも見てなかったな」

硬くしっかりとした表紙をひらくと、そこには色鮮やかな写真と呼ばれる紙が貼り付けられていた。

< 79 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop