月影
「楓ちゃんも、お友達とお散歩?」

隣の男の子を見ながら、聞いてみる。

「うん!今日はね、ようくんとデートなの!」

「で⁈」

思わず驚いて、大きな声が出てしまった。
楓がように向かって、ね?と言うと、彼は少し顔を赤らめながら、おう、と答えた。


…マジ?
最近の小学生ってすごい…


自分には彼氏もいなければ、せっかくの休みを一緒に過ごす相手もおらず、一人で散歩していたというのに。
小学生の彼女達が、少し羨ましく思えた。

「それじゃ、私はそろそろ帰って勉強するね」

「うん。バイバイ」

楓達と別れると、深幸は少し切なくなりながら、家に帰ることにした。
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