猫の手も借りたい

武志が止めに入ろうと思い、走り出そうとした瞬間。赤いスカートの女の子が勝と裕一の間に入りました。

「拳にモノを言わせるんやない!」

そう一括しました。子供が使うような言葉ではありません。裕一の拳が彼女の鼻先で止まりました。腕を降ろしながら

「…女を殴れるかよ。」

と呟きました。女の子は裕一をずっと睨んでいます。武志はポカンと口を開いて一節中を見ていました。

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