猫の手も借りたい

「君は、数えて8になるん…かいな?」

身長などを見て思ったのでしょう。武志は、聞き慣れない関西弁がとても新鮮でした。勝の言葉を聞いて、恥ずかしさと虚しさが込み上げてきました。

「ち、違います!数えて10になります!そんなに幼く見えますか?」

大人の1、2才などたいした差ではありません。しかし、子供にとっての1、2才は雲泥の差があります。武志はショックだったのでしょう。さっきまで見れなかった勝の顔を今では穴が開くほど凝視しています。

「僕と一緒?ご、ごめんな。えっと…、ちいそう見えて。」

「いえ、気にしないでください。それで、貴方のお名前は?」

「な、名前はさ、佐藤勝。勝でええよ。」

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