猫の手も借りたい

「一代ちゃんのせいで仲間はずれにされたとは思わないの?」

「はは、なんやそれ?思わんよ。一代ちゃんと仲良くなってえかったと思っとるよ。僕、気小さいし泣き虫なんよ。一代ちゃんに守られてばっかだし。叱られてばっかやけどもな。四人で遊んどったときは、金魚のフンみたいについてくことしかできんかったんよ。それが、一代ちゃんのおかげで今では自分の意見が言えるようになってきたんや。」

「はぁ。」

武志は、ちょっとだけ見た一代の顔を思い出そうとしました。しかし、もやがかかったように思い出すことができません。裏道に入ってから3分ほど歩いたはずです。犬の鳴き声が聞こえてきました。勝に反応しているようです。

「僕んちついたよ。」

柴犬がいるこじんまりとした家でした。周りにも同じような家が並んでいます。

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