猫の手も借りたい
「う~む、分からん。」
倉掃除もほっポリだして写真とにらめっこしていた。私もついにボケてきてしまったか。悟と雄大は知らぬ間に掃除を再開していた。しばらくすると
「じいちゃん、これじいちゃんの字じゃない?」
雄大がそう言いながら一冊の古い本を持ってきた。表紙に日記と書いてある。だが、私は日記をつけていた覚えがない。ペラペラとめくってみる。
「確かに父さんの字だ。読めない。」
悟が覗きながらそう呟く。雄大は、読めないから私の字だと決めつけたそうだ。悟も雄大も今まで古文…とまではいかないが、昔の本の原文などは読まないのだろうか?