大きな栗の木ノ下で♪

クスクスと喉を鳴らして女の子が笑っている
僕は怖くて、でも…振り向いてしまっていた。


振り向いた瞬間に僕は
目の前が見えなくなった
白いキャンパスが辺り一面に拡がったみたいに、真っ白になって後はそのまま…

次に僕が見た色は
また白かった、所々かびみたいに黒い染みがあったけど…


虚ろな瞳でだんだん視界がはっきりしてくると、次に嗅覚が反応してアンモニアのような強い臭いが鼻をついた


そこはどうやら病院のようで、傍らには母が居た
右に目をやると花瓶に黄色っぽい色の花が、その場を彩っていた


「あぁ、起きたのね…」


母は目を擦りながら、しかしどこか涙ぐむような声で囁いた


お帰り…


僕はまた目を閉じた
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