ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
「ただいま…。」





グチャグチャ考えながら教室に戻った。





「おかえり。遅かったね?」

「裕吾と話してた。」

「来てたの?」

「たまたま通りかかったって。」

「へぇ…。」





そう言って汐莉はあたしをじっと見た。





「な、なんだよ。」

「アンタ、あんま若頭に心配かけんじゃないわよ?」

「誘拐とか二度とされねぇし!それに、あたしのケンカはあたしのもんだ。」

「ケンカの心配じゃなくて!裕吾のこと。…優衣が心動くんじゃないかとか…さ。」





つまり、あたしが駿より裕吾のことを好きになるってことか?




それを駿が心配してると…?





「ありえねぇよ。」

「はぁ?」

「駿…最近おかしいんだ。あたしと話そうとしねぇし。」

「でも、最近迎え…」

「駿だったけど、車の中でも無言。話しかけても、あぁ、とかばっか。」





なんか言ってて虚しくなってきた。





つーか、ムカついてきた。





…駿、あたしのことイヤになってるんじゃねぇか?






「…ねぇ、優衣。だったら優衣から話なよ。図々しさが取り柄でしょ?」

「話しかけられるような駿じゃない。ってかあんな駿、駿じゃない。」






汐莉は大きくため息をついた。





なんであたしがため息つかれなきゃなんねぇんだよ…。






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