ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
「悪いな、優衣。勉強の邪魔して。」

「いや、むしろ嬉し……大丈夫だ。」






ハルの視線が痛い…!!




にしても…この重苦しい空気は?






「まぁ、ハルも優衣も座れ。」

「はい。」

「おう。」






いつもニコニコしてる宝や宇佐も真面目モードだ。






「坂下が…攻めてきたのは知ってるな?」

「さっき話してた?」

「それだ。さっき、始末してきた。」






問題ねぇじゃん。




なんだ?




ハルの顔はさらに深刻になった。






「で。友好関係にあった坂下が何故裏切ったか。誰にそそのかされたか聞いたところ…奴がいった名前は、麻野優衣。…だった。」






麻野優衣…。




ってあたし?




え、待てよ…。





これ…あたしを問い詰めるため…なのか?







「駿!!あたしは…」

「わかってる。お前がそんな器用なこと出来るわけないだろ。大丈夫、お前を疑ってるわけじゃない。」






良かっ…た…。





でも…だったら何だ?






「優衣ではないことはわかる。が、そいつは見るからに高校生で優衣と同じ学校の制服に校章をしてたらしい。」

「…じゃあ…。」

「優衣の学校にいるやつ、だろうな。」

「ヤクザのとこに乗り込めるっちゅうのは、力がある奴やな。…そして…策士。頭もいい。」






そんな奴いるのか?




いや、いるかもしれない。





いるとしたら…






「カルテット…か?」

「だろうな。」






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