ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
◎駿



「ただいまー。」

「おかえ……なんだ、その怪我!?」

「えっと〜…。」





心配はしてた。




優衣にどんな奴がし向けられるかって。




でも学校は女ばっかだし、行き帰りは車だし、あの強さだからって油断してた。






1日目で、優衣はボロボロになって帰ってきた。






「なんでそうなった!?」

「…ハルが…迎えに来る少し前に玄関を出た瞬間ヤクザに囲まれて…。さすがに…勝ったけど、あの人数相手じゃな!」

「そうとうな人数でした…。すいません。」

「いや、ハル、ご苦労。」






ハルは申し訳なさそうに頭を下げた。




ハルのせいじゃない。




くそ…ヤンキー校はずいぶんオープンなんだな…。






「優衣。来い。」

「え?なに、駿!?」





優衣の手を引いて俺の部屋に連れてきた。




ったく…無理すんなよ…。





「手当てするから、傷出せ。」

「駿が?出来るのか!?」

「失礼だな。」





優衣の怪我は深くはないけど多くて。




痛そうだな。





「駿?あたし大丈夫だぞ?気にすんなよ…?」

「俺の心配なんかすんな。自分の心配しろ。」





気にするに決まってるだろ。




大事なやつがこんなになってんだ。




心配そうに俺を見る優衣。





バカだな…ホント。






「優衣。」

「なんだ?」

「ごめんな…。」






そう言って軽くキスをした。





< 185 / 374 >

この作品をシェア

pagetop