ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
それでも手をとってしまうんだ。





アイスを買って、駿と話しながら帰っていると…。






「待って!!」

「は?」

「あなたが麻野優衣?」

「またこれか…。」

「初めまして…お姉ちゃん?」






…は?




今こいつなんて言った!?





「優衣、お前妹…」

「初耳だ…誰…?」





笑顔のまま、近づいてくる女。




待てよ、突然すぎて…。





「まぁ…知らないのは当然です。だってあなたが捨てられた後わたし引き取られたから。」






引き取られた?




血が繋がってるわけじゃねぇのか…。





駿の顔を見ると、険しい顔をしてる。




理由はわかる。




なぜ…今現れたか疑問なんだよな…。






「あたしはもうあの人達の娘じゃない。お姉ちゃんとか言うな。」

「偉そうに…見たこともないあなたのせいでわたしがどれだけ苦しんだと…。」

「…どういう…」






今までとは変わって憎しみに満ちた表情を浮かべた妹というやつ。




事情が飲み込めない…。





「あたしは…あの人のために無理矢理親元を話された。そしてあの人のためのオモチャにされた。」

「…。」

「その上、全部あなたと比べられた…。優衣ならこうする、優衣ならあぁする…。」

「うそ…だ…。」

「ついにはあたしを優衣って呼びはじめた。」






この人も辛い気持ちを味わってきたのか…。





「あたしはどこ?あたしはもう…ホントの名前がわからない。全部…あなたのせい。あなたがあたしを殺した…!!」






え…?




殺…した…?




あたしが?




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