ヤンキー彼女とヤクザ彼氏

いきなりすぎて頭がついていかない。





あたしは…。




どこまで行ってもあの人から逃げられない…。






「優衣！しっかりしろ！」

「駿…。」

「もう…前を向けたんだろ!?」





駿はあたしをまっすぐ見てそう言った。




駿…。





「お姉ちゃんの彼氏ですよね？」

「お姉ちゃんって言うな…。」

「調べたよ。山寺組の若頭だって。幸せ？ねぇ、お姉ちゃん？」

「お姉ちゃんって…言うんじゃねぇよ…！」






これは…この感情はなんだ？




今すぐ走っていなくなりたい。




コイツの目の前から消えたい…。





「もうやめろ。今すぐ消えてくれねぇか？じゃないとそれなりの対応をとらなきゃなんねぇ。」

「…そうですか。」

「悪いけど、もう優衣に近づくな。そして何も言うな。」

「約束は出来ないけど努力します。」

「最後に…お前をここにやったのは青山奈津…か？」

「さぁ？」





ニッコリ笑っていなくなった。




今わかった。




これは…恐怖だ。





「優衣、帰るぞ。アイスが溶ける。」

「駿…。」

「大丈夫だ。お前は…麻野優衣だろ？」






駿がいてくれるからまだ立っていられる。




だけど…あたしは結局…。






あの日消えたはずの心の影がまた現れた…。