ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
あたしが実感してた十倍、あたしは駿が大事だった。




だって駿が居なかったら、こんなに前向けてない。




どこか後ろ向きで、せっかく新しい人生なのに割り切れないままだった。






「幻滅なんかしねぇよ。出来るわけがない。」

「でも!」

「人殺しなんて、簡単に決めていいことじゃない。それに、優衣は納得したのか?いきなり人殺しなんて言われて。」






納得…?




認めるってことか?






「納得…出来ない。」

「だろ?この時間ってムダじゃねぇか?」

「…負けたみたいだしな。」

「怖かったんだろ?」






駿は…ほんとになんでもわかるみたいだ。




あたしの考えなんて、見透かしてんのか。





「あぁ…。」

「怖いってのは悪いことじゃない。怖さを知ってる方が強くなれる。」






あたしは何度助けられたんだ。




駿には感謝でいっぱいだ。






「それにな、組の奴らだってこんなんでお前を嫌うわけがない。誰の部下だと思ってんだ?」





そうだ。




ここは、駿が若頭の山寺組だ。






「また駿に助けられたな!!」

「優衣、強くなれ。」

「ケンカか?」

「違う。力は充分だ。精神的にって意味だ。」

「…わかった。でも、駿が近くに居れば大丈夫だと思うんだけど。」

「おまっ…さらっと…!!」

「?」





よし。




もう大丈夫だ。




あたしはあたしだ。





完全復活だ!!





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