ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
つい、いつものノリで…。





「とにかく、汐莉返せよ。」

「返すのには対価が必要。等価交換で…どう?」

「対価…だと!?」

「そう。当然だと思わない?」

「お前…対価ってどういうものだよ?」

「は?」





なんで固まるんだ?





「あははは!!」





笑い出した汐莉。




な、なんだよ!?






「はぁ…これだからバカはやだ…。そういえば黒田もこういうとこあったわ…。」

「バカじゃねぇ!!」

「青山さん、バカを馬鹿にしてると…痛い目に合いますよ?」

「捕まってる分際でよく言えるね…。」






睨み合ってる2人。





なんだ、この状況!?





「待てよ!とりあえず、対価が何か教えろ!」

「河原さんが教えてあげれば?」

「…対価ってのは何かを取り返すために必要なもの。例えば、パンが欲しかったらパンと同じ価値の何かを渡すの。」

「なるほど。じゃあ、汐莉を返してほしいなら何かを渡せって?」

「そう。」





せこいやつだな…。





「さぁ、何をくれるの?」

「ふざけんな!てめぇに渡すものなんかないし、汐莉は自分で取り返す!」

「ちっ…!やっぱり、話なんか通じないか…。」

「優衣の言うとおりだな。」

「え?」




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