ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
やっぱり、ここは落ち着く。




いつの間にか、あたしの中でもう一つの家みたいになってるって…。




今気づいた。





「お前はやっぱ若が選んだだけあって、ただ者じゃねぇわ。」

「はぁ?」

「3ヶ月のケガを2ヶ月で治すって…。」

「バケモノかって…。」

「おい!そこは素直に感心したって言えよ!!」





安心して笑えるこの場所は、やっぱり駿が居るから。




あたし、だんだん素直になってきたよな?






「ん?親父から電話…。ちょっと出て来る。」





駿はそう言って大広間を出た。




駿の親父…。




山寺の頭だよな?





「なぁ、駿の親父…頭ってどんな人?」





あたしの何気ない質問で、一瞬空気が凍った。




ハルも…宇佐までもが固まった。




え?




何で…?





「一言…で言うとな?」

「言うと…?」

「…恐い。」





マジで?




そんなに?





「八雲が戦闘時に出す殺気の100倍濃いヤツが普段の生活でだだ漏れみたいな?いや、隠してるんだけど…本能的に感じる…。」

「それは…恐いな…。」




そんな人が彼氏の親で大丈夫か…?





そのとき、駿が勢いよく襖を開けた。





「やべぇ!」

「なにが?」

「親父達が…明日帰ってくる…。」





みんな凍りついた…。




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