ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
◎駿



珍しく電話がかかってきたから、嫌な予感はしてたけど…。





「おう、駿か?」

「当たり前だろ。誰のケータイだと思ってんだ。」

「お前の彼女退院したって?」

「…何でもご存知かよ…。」





この人は、我が親ながら底が知れない。




俺はこの人みたいになれる気がしねぇ…。




ならなきゃいけねぇんだけど…。





「で、なんの用事だよ?」

「あぁ、そうだった。明日着くから。」

「は?どこに?」

「どこにって…我が家に決まってんだろ。」





我が家…我が家…我が家…。




って…ここか?





「そういうのは前もって言えよ…。」

「自分の家に帰るのはいつでもいいだろ?」





家に居なさすぎなんだっつーの…。





「組の奴らの心構えが出来ねぇだろ。」

「なんでだよ。」

「親父がわざと殺気漏らすからだろ?威圧感と殺気に押し潰されそうになってる。」





あの時のあいつらは本当におもしろい。





「かわいい組員たちを鍛えてやってんだよ。」

「そうですか…。でも今回は優衣も居るし。」

「優衣ちゃんっていうのか。高校生の彼女は。」

「まぁ。」





絶対今電話の向こうで笑ってる。




ムカつく!





「じゃ、頼んだぞ。」

「はいはい。」





電話を切った俺。




冷静に振る舞ったけど実は…




かなり焦ってます。





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