ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
◎駿



仕事の合間。




1人だけ着信音を変えてる親父から電話。




また嫌な予感…。




でも出なかったら殺される…。





「…もしもし。」

「おう、駿か?」

「俺じゃなかったら誰だよ…。」

「ははは!」

「用件は?」

「超大事なもの取りに来い。」

「は?」





簡潔すぎて…。




大事なもの?





「そんなの楠さんに頼めよ。」





楠さんとは親父の右腕。




かなりのやり手。




親父の護衛隊のなかでもオーラが違う。




あの親父が信用してる人。





「楠が行ったらほかの組に怪しまれる。今はなんか敵増えてるらしいし?」

「うっ。」





嫌み…。




でも言い返せねぇな…。





「でもそれなら俺が行っても同じだろ。」

「優衣ちゃん連れて来ればいいだろ。彼女と旅行ついでに両親に挨拶的な?」





なんて自分勝手な親なんだ…。




電話の奥からは母さんの喜ぶ声。




「優衣巻き込むのかよ。」




< 269 / 374 >

この作品をシェア

pagetop