ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
◎優衣



「リョウさんからの指示だ。お前を倒す。」

「緑川…。」





昨日戦いたくないって思ったら今日…か。




なんか白峰に全部見透かされてる気分だ。





「逃げるか?」

「逃げない。…けど、出来ればアンタとは戦いたくなかった。」

「あたしが強いから?」

「違う。アンタが…いい人だから…。」





一瞬ちょっと驚いた顔でこっちを見た緑川。




でもすぐにいつものすかした面になった。





「麻野優衣。お前はあたしが殺る。」

「うるせ。真剣勝負しろよ?」

「当たり前だ。ケンカの仕方までリョウさんに指図はされない。」





やっぱ強いな…。




でもマジでちゃんとケンカしてくれてる。




コイツやっぱいい奴だ。





「ハァ……しぶといね。」

「それが売りだから。」

「でも麻野優衣、アンタも息上がってる。」

「ははっ!ハァ…そうだな。」




緑川のケンカは時間も忘れて夕方まで続いた。




そして…





「……あたしの負け…だ。」

「お疲れ様…でした…先輩!」





なんとか…あたしの勝ちだ。





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