ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
「ハル〜?ビックリして固まっちゃったの?相変わらずカワイイわね〜。」





ハルのこと知ってる…?




何者…?





「…ろ。」

「ん?」

「消えろ!!今すぐ俺の前から消えろ!!」

「ひっどい言い方〜。あたしだって、頼まれて来たのに。」

「返せよ!!俺の全部!!金も家族も時間も!!」

「なにそれ。あたし悪いことしてないし。」





話が見えない。




けど、ハルが嫌がってる…。





「なぁ、消えてくんねぇ?」

「あんた関係ないでしょ。」

「ある。ハルは兄ちゃんみたいなもんだから。ハルが嫌がってるから消えろ。」

「優衣…。」





ハルはやっとこっちを見た。




けどなんか苦しそう。





「どうしても消えないなら、ケンカしよ?」

「あんたの話は聞いてる。勝てるわけがない。まぁ、消えるわ。じゃあね〜。」

「ちょっと待て!!さっきから…誰に頼まれた?」

「なんだっけ?アンタと同じ学校の。じゃあ。」





女は去っていった。




同じ学校…か。





「ハル!!」

「悪い…。気分悪くて…。」

「無理すんな。」





ちょっと笑って、ハルは目を瞑った。




駿に電話…。





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