ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
「おまえの方がただのわがままだろ!」

「違う、これは駿を取り戻すための作戦。」





屁理屈だろ!




そんなの誰が聞いてもおかしいと思う。





「ねぇ、まわりの人が傷つくってどういうことかわかる?」

「なんだよ…。」

「駿も傷つくってこと。」

「じゃあこんなことやめればいいだろ!」

「だから、そういう作戦。」





意味わかんねぇ…。




じゃあ、あたしは別れるしかないって?




そんなの納得できない。





「みーんな傷つくの。ハルを思い出して?みんなああなる。それを見続ける駿もああなる。あたしを止められるのは誰?」





あたししかいないって…?





「ふざけんな!今すぐ勝負しろ。ケンカで勝ってやる。」

「…黙れよ、ガキ。」

「…っ!?」





なんだ、今の…。




あたしが怯えるほどの殺気…。





どうしよう…。




わかってしまった。




あたしの唯一の武器はコイツに負ける…。






でも駿と別れるなんてイヤだ…。




だけど…みんなを守るには…。





「よく考えるといい。まぁ、その間にみんな傷つくんだけど。」





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