ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
亜衣に手を引かれて着いたのは古い家。





「なんでこんなとこにいるの!?」

「それは…。」

「あの人に会いたくないんでしょ?ここはお姉ちゃんが昔住んでたとこ。家の近く!!」

「え…。」





だから…か。




なんか納得。





「亜衣学校帰り?」

「そう。」

「自分の足で帰れるんだな。」

「車は拒否したの。頑張ったんだから。」





前より自信がついたような亜衣。




元気そうだな!





「で、お姉ちゃんはなんでここにいるの?」

「えっと…」





亜衣に手短に説明。




頭がいいらしい亜衣は理解してくれたみたいだ。




「なるほどね。泊まるとこは?」

「全部ノープラン!!」

「なんでそんな自信満々で言えるわけ!?まったく…。」





亜衣は少し考えてから、あたしを見た。





「なに?」

「ここ、使ったら?」

「へ?この古い家をか?」





なんか凍え死ぬ気がする…。




生活出来そうな気もしねぇ…。





「ご飯はあたしが買ってきて夕方に届けてあげる。毛布も。着替えはあるみたいだから、近くの銭湯とコインランドリー使えばいいよ。」





まじ?




まぁ、それも手か。





「そんな迷惑かけて良いのか?」

「あたしも迷惑かけたから。」




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