ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
夕飯の間は優衣への質問ばっかだった。





「優衣は見た目ヤンキーっぽくねぇよな。」

「良いこと言うね、キツネ!!」

「キツネ…って俺?」

「見た目的なあだ名。それより、あたしヤンキーに見えねぇか!?」

「まぁ。渋谷うろついてそう…?」

「聞いたか、駿!!」






お前は子供か…。




つーか、ヤンキーぽくないって言われてここまで喜ぶ奴初めて見た。






「あたしはねぇ、普通になりたいの!!まずは見た目からって言うだろ?」

「へぇ…。」

「んだよ、その可哀想…的な目は!?」






優衣がいると一層騒がしい。




でもまぁ、さすがっつーか…




ハル以外は全員20歳以上のこの場でもう馴染んでやがる。






「見た目から入りてぇなら言葉遣いと行動を直せ。」

「?これ普通と違うのか?」






また広間に笑いが起きる。





コイツ…リアルなバカだ…。






「優衣…漢字、書けるか?」

「はぁ?当たり前じゃん。」

「『本』と『木』と『体』は違う字だぞ?」

「だからテスト、マルつかねぇのか〜。」






バカだ…。




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