ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
そこは読み通り、か。





「お姉ちゃんは白峰にハルさんのことで抗議しに行ったんです。」

「そうか…。」

「そのとき、ハルさんや周りの人が傷つくことになる本当の原因はお姉ちゃんだって言われたらしいです。」

「リョウが優衣に?」

「はい。」





ちっ…。




ちょうど優衣が悩んでたとこ突きやがって…。





「そして、周りが傷つくことは若頭さんが傷つくことに繋がる…つまり、周りも大好きな人もお姉ちゃんが苦しめてるんだって…。」





単純な優衣は信じるだろうな…。





「でもお姉ちゃんは折れたわけじゃなくて、迷ってるんです。考えてるんです…。」

「そうか…。」

「だけど考えるのに時間がかかる。その間もみんなが狙われるなら、消えたことにしようと思って家出したって。」

「じゃあ優衣は周りを守るためにリョウと俺達全員を騙したって?」

「はい。」





宇佐のまさかが当たったな。




優衣、お前やっぱすげぇわ。




でも…どんな理由でも俺から離れてんじゃねぇよ…。





「信じてください。お姉ちゃんは若頭さんが大好きなんです。」

「信じれだと?そんなん解ってんだよ。」

「良かった…。」





こいつ変わったな。




こっちが本当の亜衣なんだろうけど。





「あたし、ほんとは言うつもりなんか無かったんです。」

「じゃあなんで?」

「誰にも言わないで出てきたから。もっと頼ることとか友達とか大切にしてほしくて。…あたしには出来ないから。」






< 342 / 374 >

この作品をシェア

pagetop