ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
学校は、セントなんちゃらってかんじの名前だったし。




車の送迎だったから、何も知らない。




住所なんか書いたこともない。





「母親は置いてくとき、『あんた、もう要らないから捨ててくね。戻ってこないでね?』って。」




別になんとも思わなかったから泣きつきもしなかった。




むしろ、この時がきたかって思ってた。





「とりあえず適当に歩いてたら今の父さんが『夜中に危ないでしょ』って、いきなり怒ってきて。『帰る場所もお金もないから仕方ない』って言ったら家に来いって。」





ホントにビビった。




警察に渡されると思った。




でも、すぐ感情は消えてこの先のことを何パターンも想像した。





「事情話したら、抱きしめられてさ。『だったら今日から家の子だ』って。ホントに養子縁組してくれて、中学まで上がらせてくれた。」





駿はさっきから黙って聞いてる。





あたしの目を真っ直ぐ見て…。





「でも暖かいところに居るとさ、感情が出てくるんだよな。あたしはお嬢様の器じゃねぇから、希望に答えられなかったから、捨てられた。そう思ったら結構キツくて。」





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