ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
「『優衣が優衣で居られる場所にしてやってください。絶対に守ってください。ずっと笑顔で居させてあげてください。』って言ったんだ。」






あたしがあたしらしく?





「あの時はよく意味がわかんなかったけど…納得した。車嫌いも、妙に聞き分けがいいのもそのせいか。」

「どうだろうな。」

「あの両親はお前のことわかってる。ってかさ、電話来てんじゃねぇの?」

「来てる。」




今日は留守電になったけど。




昨日の着信も思い出す。





「俺のとこにも来てる。」

「…は?」

「今日ももう来た。まだ2日なのに、心配でお前の様子を聞いてくる。」





そっか…。




まだ2日か…。





「いいか?親ってもんはな、子供のことしか考えてねぇの。それに時間もないし、迷惑とかもない。」

「…。」

「もっと話せ。な?聞き分け良くなんてなんなくていい。」





その時。




今まで流れたことが無かった涙が流れた。





これが涙…。





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