ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
◎駿



こいつは天然のたらしか?




そんなカワイイ笑顔で、いきなり素直になられたら嫌でも赤くなるだろ…!!





しかも、その後に上目遣いなんかしやがって…。





優衣のことだから、計算でもなんでもねぇんだろうけど。






ため息をついて落ち着こうとする。





不思議そうな顔をする、優衣。





ヤバイ。




話ふらねぇと、同じこと繰り返しそうだ。






「なぁ、優衣。」

「ん?」

「好きなヤツ…出来てねぇの?」






よりによってこれかよ、俺!?




墓穴…。




でも、今さら話題を引っ込めることも出来ねぇ。






「…。駿…は?」

「俺?」





コクンと頷いた優衣。




抱きしめたくなる。






「俺は…。」





言っていいのか?




優衣は好きなヤツが居るとも居ないとも言ってない。




めんどくせぇな…。





「俺は…いる…かもな。」





結局嘘はつけない俺は、曖昧にした。





情けねぇ…。






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