ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
「ダメだ。第一、お前になにかあったら優衣が悲しむ。」

「はぁ…お互いに弱点は優衣ね…?」

「はは…。」

「だったら屋敷に行く。知恵をかすくらいなら出来る。」





そういえば優衣が言ってたな。




汐莉は頭いいって。





「わかった。迎えをやる。」

「家の外に出て待ってる。」





汐莉との電話を切って、宇佐にかける。





「汐莉迎えにいけ。」

「はぁ?」

「で、屋敷に連れてこい。」

「…命令口調のがお前らしい。行ってきまーす!」





宇佐なりに心配してたらしい。





最高の右腕だ。






しばらくして汐莉が来た。






「初めまして、若頭。」

「あぁ、初めまして。宇佐は捜索に戻っていいぞ。」

「わかった。」





現在12時きっかり。





まだ捜索をはじめて一時間…。





「ウチの学校のヤンキーは、優衣がアンタの彼女だって知ってるから連れ去るようなことしない。」

「そうか…。」

「優衣が若頭の彼女だって知っててさらうとしたら?」

「俺と敵対してる組…。わかってる。そこまではな。」

「今どこ探してるの?」

「敵対してる組しらみつぶし。」





汐莉は何かを考え込んだ。




それから顔をあげた。





「相手は…若頭と戦うことを望んでる。」

「は?」

「何か要求があるなら、いまだに連絡がないのはおかしい。つまり、探し出して俺と戦え…ってことじゃ?」




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