ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
予想通り。




やっぱバカだ。




コイツはあたしのこと、なにも調べてないらしい。





「なぁ、門倉。あたしのことどこまで知ってる?」

「名前だけだ。ちょっと黙ってろ。ったく…変な女だ。誘拐されてるくせにわめかねぇし…。」

「当たり前だ。あたしは…こんな修羅場くらい…慣れっこなんだよ!!」





その瞬間、あたしは門倉の腹を思いっきり蹴って吹っ飛ばした。




ちょっと首切れたか。




まぁ、いいや。





あたしは刃物を門倉とは逆方向に蹴り飛ばした。






その場にいた全員が、あたしの方を向いてる。




どうやら強く蹴りすぎて門倉は気絶してるみたいだ。






「宇佐ぁ〜。手の縄ほどけ。」

「は!?あ、あぁ…。」

「駿!!みんな!!殺っちゃっていいよ?」

「さすが…優衣!!」





あたしの言葉をきっかけに、龍達も動き出した。



駿もすげぇ…。





宇佐は縄をほどいてくれてる。





「ったく…。お前は肝座りすぎだ。」

「ダメか?」

「いや、最高だ。」





そして、やっと手が解放された。






「やっと自由!なぁ、宇佐。」

「なんだ?」

「あたしもムカついてんだ。殺っちゃっていい?」

「…行ってこい!」





ニヤッと笑った宇佐。




あたしは駿達のところに飛び込んだ。





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