恋愛鏡
二人でグランドに出ると、野球部員がグランド整備をしている。
時刻は8時前。
「今日も、8時に終わるの?」
『そうだよん』
どうこう言っているうちに、グランド整備を終え、次々と帰って行った。
その中で、こちらに歩いてくる2人の人影。
1人は途中で走り出した。
次は、胸がキュンってなる。
『小夏~!ごめんな、待たせて。』
『いいよいいよっ!お疲れ!!』
小夏のもとに駆け寄ったのは、陽太くん。
隣のクラスの野球部員だ。
そして、後ろからやってきたのが・・
「冬真……」
冬真はにこっと私に笑いかける。
『よっ!!沙恵も付き添い、大変だな!!』
その笑顔にまたキュン。
「しょうがないよ~小夏たち、まだラブラブだし。」
私が大袈裟にため息をつくと、小夏が笑った。
『ごめんね、ずっとラブラブだから~♪』
聞いているこっちが恥ずかしくなる。
2人で、ね~っとか言い合うのを横目に、冬真と苦笑いした。