【短】放課後のヒミツ
一瞬だけ目が合ったけど、すぐにそらされてしまった。
私と先輩が会っているのは秘密だから、当たり前なんだけどね。
相変わらず先輩は、歩くだけで女子生徒の視線を集めている。
「やっぱり、悠真先輩はカッコイイね~」
すれ違い様に香織は、うっとりとした声で言った。
「え~!私はタイプじゃないよ?」
もちろん、これは本心じゃない。
だけど、怪しまれちゃいけないもん。
だから、あくまでも気のない振りをしてなきゃ。
この時の私は、ただ先輩との約束を守ろうとしただけだった。
本当は、化粧品を「dc」に変えたくらい、先輩にハマりかけてるんだけど・・・。