サクラの季節に。
………悔しい
なんでだろう。
悔しくて悔しくて、悔しくて…
仕方がないよ、海千…。
“ ねぇ、付き合うの? ”
か細く囁いたあたしの言葉は、
通り過ぎたバイクのエンジン音にかき消された。
…世界でいちばん、
海千をだいすきな自信があるよ。
…でも、
でもね。
意味がないじゃん。
あたしがいくら海千を好きでも、
海千があたしを好きになってくれなきゃ、そんな気持ち、意味ないじゃん……。