サクラの季節に。





ずるずると泣くあたし。



下校する生徒は興味津々にあたしを見て行く。



「…ごっ、ごめんね。礼くん…」




あたし、何泣いてんの。
…めちゃめちゃ迷惑じゃん…



ぐいっ、と袖で拭うけど、それでもまだ、止まらない涙。




…っ もうっ!


何やってんの、あたし。


止めなきゃダメじゃん…。




止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて止めて……止め……





「泣くなよ」



目を見開けば、知らない香りと、優しい腕があたしを包んでいた。





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