サクラの季節に。





「みぃーちぃーっ!
待ってよぉ、置いて行かないでってばぁー」


「…ちょっとやめてくんね?」




海千の怒った表情が、安易に想像できた。


「ねぇ、海千ーっ」


「マジ、いい加減やめ…………」





その時。


海千と、礼くんの腕の中にいるあたしの視線が、




―――バッチリと、合った。





< 20 / 30 >

この作品をシェア

pagetop