危険なペット様との関係
脱衣所の方から、クスッと笑った声が聞こえて、あたしは慌てて脱衣所に背を向けた。
カチャ──
扉の開く音がして、あたしは緊張でうごけなくなっていた。
ギュッと目を瞑る。
「……奈央、緊張してんの?」
「す、するよ!普通…」
「へぇ…奈央も緊張してんだ。」
「え?」
奈央“も”…?
ユウも緊張してるの…?
湯船に入ってきたユウは、あたしに無理に近づいたりせずに
背中を向けているあたしの髪を優しく撫でた。
あたしは恐る恐る目を開く。
「…奈央、こっち向いて。」
「う、うん。」
ゆっくりユウの方へ身体を向ける。
後ろには優しく微笑んだユウがいた。
「っ…」
ユウがあたしの手をとって、自分の胸に当てさせた。
すごく速い…
手のひらを通して伝わってくるユウの鼓動。
それはあたしのと同じくらい速かった。