危険なペット様との関係
「…手。迷子になられても困るからな。」
「な、ならないよ…!!」
「どうだか。」
そう言って、意地悪く笑う。
あたしはむくれながらも結局、素直に差し出された手の上に手を重ねた。
その手がギュッと握られる。
「帰るぞ。」
「うん!」
学校を出て、少し前を歩くユウの姿。
いつもなら先に行っちゃうのに、今日はあたしの歩調に合わせてくれているみたい…
あたしがゆっくりになっても、決して引っ張ったりしない。
そんな些細なことが、すごく嬉しい。
「…そういえば、昨日休んだこと月舟さんに怒られなかった?」
「月舟?…あぁ、店長か。まぁ、大丈夫だろ。こてんぱんに叱られたけどな。」
「ご、ごめん…」
やっぱり怒られる…よね。
無断で仕事休んじゃったわけだし。
そのせいでユウがクビになっちゃったらどうしよう…
「…心配すんなって。そんなんでクビになったりしねぇから。」
「でも…」
「じゃあ………見てみる?」
「はひ?」