危険なペット様との関係
* *
久しぶりに来たネオン街は、相変わらず人に溢れていた。
結局、道が分からなくなって、ユウに連れて行ってもらうことになった。
あたしは置いて行かれないように、必死でユウの手を握りながら着いていく。
でも……
なんだかさっきから、いろんな人に見られてる気がする。
気のせい…かな?
「っ…!」
路地に立っていた若い男の人と目があった。
やっぱり……気のせいなんかじゃない…
その人はジロッとあたしを見てから、軽く会釈をしてどこかへ行ってしまった。
あの人誰だったんだろ…?
「…奈央?」
「へ?」
「どうした?路地なんか見て…」
「あ、うん。何でもない。」
「そか。」
ユウはそれ以上、追及してこなかった。
それにしてもあの人…
会ったことある人だっけ?
向こうは会釈してたけど…
知らない人、だよね?