危険なペット様との関係



「ユウは……


ユウは一体、何者なんですか…?」



名前しか知らない。



誕生日も

住んでた場所も

年齢も



あたしはユウについて何も知らない。



それが……嫌だ。



でも、あたしと出会う前から知ってる月舟さんなら、何か知ってるかもしれない。



そんな希望を抱いて、隣に座っている月舟さんを見る。



「ハハッ。奈央さんはずいぶんとおもしろい質問をしますね。」


「す、すいません…」


「いえ、謝らないでください。ただ………僕は…その質問に答えられそうもありませんね。」


「え…?」



どことなく寂しげに見える微笑みを浮かべながら、月舟さんは目を細めた。



その視線の先には、いつの間にか着替え終わったユウが接客をしていた。



相手は、前にここへ来た時に話しかけてきた綺麗な女の人。



少しだけ、胸が痛くなる。



あたしはそれを誤魔化すように首を横に振った。











< 114 / 150 >

この作品をシェア

pagetop