危険なペット様との関係
あぁ、やっぱり…
飲み干したグラスに反射して、楽しそうな二人が見える。
目を背けたいのに
そうすることができない。
他の人に笑いかけるユウなんて見たくないのに
一度捉えてしまったその視線は、そう簡単に反らせない。
この気持ちは…
この気持ちはきっと………
「……奈央さん」
少し低めの月舟さんの声で、あたしはやっと顔を上げた。
「おかわりいりますか?」
「あ…はい」
否定するのも何だか悪い気がして
あたしは素直に頷いた。
空いたグラスに、さっきと同じオレンジ色をした液体が注がれる。
グラス越しに、オレンジ色に染まったあたしの泣きそうな顔がぐらりと揺れた。
ダメだな…あたし……
この気持ちに気づいているのに
自覚したら、今のままではいれないから
だから。