危険なペット様との関係
「フッ。…俺に惚れちゃった?」
「へ…ない…!絶対ないっ!!」
「そんなに否定しなくても。」
「ぅ…」
悲しそうに目を伏せる彼に、また胸がきゅんとなる。
ヤバい。
あたし、この瞳に弱いかもしれない…
……だ、ダメ!!
ダメだよ、あたし!!
こんなのに流されちゃダメ!!
「あ。これ借りるよ?」
「え?あ、はい。」
…やっぱり、あたしはこの彼に弱い。
彼はキッチンに立って、手早く料理を始めた。
スッゴク手際が良い。
キッチンからトントンと心地よい音が聞こえる。
あたしは我慢出来なくなって、キッチンを影から覗いた。
(わ…)
すごい。
あっという間に人参がみじん切りになっていく。
手慣れてる、とかそんなレベルじゃなくて
あたしは何も言えずにその光景を見ていた。