危険なペット様との関係
悔しい…
あたしは平然を装って、ユウに笑いかける。
「まだ酔ってるんじゃない?」
「ふーん……じゃあ」
「え…わわっ?!」
不敵に微笑んだユウに見とれた瞬間
ふわっと身体が力強い腕に支えられて宙に浮いた。
「酔ってんなら、ちゃんと歩けないだろ?」
「あ、歩けるってば…!」
「ハイハイ。」
「降ろしてよ〜!」
あたしが抗議すると、案外素直に降ろしてくれた。
それなのに少し寂しくて
ユウの体温を近くに感じていたくて
少し大きい手をギュッと握る。
ユウは振り返りも喋りもしなかったけど、握り返してくれたことがすごく嬉しくて…
少し前を歩く背中に胸がいっぱいになった。
やっぱり好き。
言葉にならないぐらい…
ユウが好き──。
あたしはその気持ちを込めるように、もう一度ギュッと握った。