危険なペット様との関係



 * *







そんなことを言葉にしてしまってから7時間後。



あたしは帰宅して、自宅の扉の前に立っている。



この薄い扉を開ければユウがいて…



あたしはぎゅっと拳を握りしめる。



「た、ただいま…」



しん…と静まり返った部屋にあたしの声が響いた。



「……ユウ…?」



ユウの姿が見当たらない。



何故か、嫌な胸騒ぎがした。



「もしかして……」



ドンッ───



勢いよく開けた扉が音をたてて開く。



“絶対嫌だ…”



そう思っているのに…



神様はどうしてこうも意地悪なんだろう…



ちゃんと気持ちを伝えよう



そう思っていたのに



どうしていつもこうなんだろう…



「ユ、ウ……」



部屋の中にあったはずの荷物が、綺麗になくなっていた。



まるで───…



“もう会いたくない”



そう言っているかのように、一枚の白い紙が宙を舞った。













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