危険なペット様との関係
「それは…違う、と思いますが。」
「え…?」
「資格なんて、なくても関係ないと思いますよ。」
「そんなの………そんなの綺麗ごとじゃないですか…!!」
あたしの声が静まり返った店内に響く。
少しだけ月舟さんの顔が曇った。
でも、そんなこと気にしてられなかった。
ユウの側にいたくても
今のあたしには、気持ちを伝える資格さえない。
今こうして、背中から伝わる温もりも
すぐに消えてしまう幻だから。
「そう…かもしれません。でも………ユウがこうして目の前にいるのに、気持ちを伝えないのは
奈央さんの逃げではないんですか?」
「っ…」
「少なくとも僕なら………
力づくでもその資格とやらを掴んでみせます。」