危険なペット様との関係
タクシーの車内はユウが寝ているから無言状態で
あたしに寄りかかって眠っているユウから気を反らすために、外へと視線を向ける。
外の車が行き交う音や雑踏がよく聞こえる。
あたしの胸のドキドキも
いっそのこと聞こえちゃえばいいのに…
ユウの手にそっと触れる。
少し冷たい手が離れて行ってしまうのかと思うと、寂しさでどうしようもなくなる。
ユウ…
好きだよ。
好きで好きで……
「…ごめんね」
もう少しだけ、好きでいさせて…
そしたら忘れるから。
この気持ちも
ユウのことも……
「な、お……?」
その時、少しだけ苦しそうに目を開けたユウと目が合った。
突然すぎて、目をそらす隙もない。
久しぶりにちゃんと見たユウは、どこか疲れているようにも見えた。