危険なペット様との関係
「…あの後俺…………奈央がいなくなったら…って考えてた。
元はといえば…俺が勝手に押しかけただけだし……奈央に嫌われたなら…出て行こう…って。」
「っ…」
「それが普通…なんだって必死に言い聞かせて」
ユウはそこで言葉を切った。
自然と足も止まる。
気づけばあたしのマンションの前まで来ていた。
ユウは前を向いたまま、こちらを向こうとはしない。
でも、もう一度だけ強く手を握りなおした。
「……でも………離したくない、んだ…」
「え…?」
「奈央に…嫌われたのはわかってる………けど
この手だけは離したくない。」
そう言って、やっとユウは振り向いた。
いつものユウとは違って、自信がなさげで
それでも、あたしの大好きな人。
『自分を守ることでしか愛を伝えられないなら………離れるべきです』
あたしは…………