危険なペット様との関係



月舟さんはああ言ったけど。






あたしは



弱い人間だから。



だから………



ユウにここまで言わせても、全てを投げ出して飛び込んでいくことができなくて



自分の想いを



一から伝えるなんてできなくて



…………でも











「…ユ、ウ………好き…っ……好き…」



好き。


好き。



大好き。





伝えきらないぐらいに。



忘れるなんてできない。



これだけは伝えなきゃって…



そう、思うから。







「奈央…」



ユウがあたしの腕を引っ張って、身体が傾いて温かいものに支えられた。



「もう一回……言って?」


「…好きだよ。」


「奈央……俺も好き。」



温かいものが心の中から溢れてくる。



嬉しくて
恥ずかしくて



あたしはユウの大きい背中にそっと手を回した。










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