危険なペット様との関係
「……遅いなぁ」
駅に着いたものの、萌香が来ていない。
もう待ち合わせ時間を15分も過ぎてる。
萌香は時間に厳しい子なのに…
「……あ!萌香!遅かっ…え?!蒼空君っ?!」
萌香の隣にはものすごく不機嫌そうな蒼空君が立っていた。
「え、と…お、お久しぶりだね蒼空君…!」
「…ママ、おはよう。」
「う、うん…おはよう!」
一応返事はしてくれたものの、顔が笑ってない。
これ…絶対、機嫌悪いよね……
しかもなんでこの場に蒼空君がいるのかわかんないし…
「ち、ちょっと…」
小声で萌香に話しかける。
「…なんで蒼空君いるの?」
「あれ、言わなかった?」
「聞いてないよ!」
「おばさんが蒼空を預けて、旅行行っちゃったのよ。で、ちょうど蒼空も奈央に会いたいって言ってたし、私だけじゃ無理だし。」
「じゃあ最初から…」
「うん。」
うまい具合に利用されたわけね…
「ママは僕に会いたくなかったの…?」
「あ、会いたかったに決まってるよ!」
「良かったぁ」
な、なんか
二人に利用されてる気がする…