危険なペット様との関係
お昼頃、あたし達は目的地の民宿に着いた。
ていうか…
「…ほ、ほんとにここで合ってる…よね?」
「そうだけど?」
萌香が何か文句あるのか、とでも言いそうな目であたしを睨む。
えっと…ね
文句というよりはむしろ…
あたしの目の前にある建物は、民宿にしては高級そうなもので
海のそばなのに、綺麗な庭まで付いている。
なんだろ?
少し小さめの旅館みたいな感じ。
こんな高そうなとこ…
あたしなんかが泊まっていいのかな…?
「ほら、中入るわよ。」
「え?!ち、ちょ…ホントに入るのっ?!」
「当たり前でしょ。何今さら慌ててんのよ。」
いや…それはそうなんだけど…
あたしが躊躇っている間にも、萌香はずんずんと進んで中に入ってしまった。
あたしと蒼空君がポツンと外にいる。
チラッと蒼空君の様子をうかがえば、何だか疲れたような顔をしていて
あたしは急いで萌香を追いかけて、中へと入った。