危険なペット様との関係
そのまま玄関の方へと向かう彼。
そして深々と頭を下げる。
「…お世話になりました」
「ぅ゙…」
な、何よ…
寂しげな彼の瞳があたしを見る。
一呼吸おくと、彼はゆっくり扉を開けた。
「……ぁ」
雨…
いつのまにか、雨が降りだしていた。
どしゃ降りにはなっていないけど、当分降り止みそうにない。
チラッと彼を見ると、彼も少し困ったように空を見上げていた。
でも、覚悟を決めたように外へと出る。
「え…ちょっ…ちょっと待って!」
本当に出ていくの?!
確かに出て行けって言ったけど…でも
こんな寒くて雨の降ってる中、傘も持たないで出て行ったら…
そう思うといてもたってもいられなくなって、あたしは彼の腕を掴んで引き止めていた。