危険なペット様との関係
「な、なに…?」
「今の俺、すげぇ寛大だから……教えてあげるよ?いろんなこと。」
耳元で彼の甘い声がそう呟いた。
この体勢のどこが寛大なのかわからないけど…
昨日聞けなかったこと、聞けそうな気がする。
あたしは思い切って口を開いた。
「な…名前は…?」
「佐久間ユウ。」
「…歳は?」
「えー…それ聞いちゃう?」
「どこから来たの?」
「ん〜…どこだっけ。」
な、なんか…
真面目に答えたのって、名前だけな気がするんだけど。
それに質問っていきなり言われても、何を聞いていいかわからない。
「ユウ…さん?」
「呼び捨てでいいって。」
「で、でも…」
「だって奈央、俺に敬語じゃないし。それでさん付けって変でしょ?」
「ぅ…」
確かに自分でも気づかないうちに敬語がとれちゃってた。
…それはたぶん、この人が尊敬できるような行動をしないからだと思うけど。
「それに。…俺はペットだし。」
呼んでと言わんばかりに、彼がニッコリと笑う。