危険なペット様との関係
なにしろ無駄に整ってるんだもん、あの顔。
それに、あんなに人がいる前で断ったらあとが怖い。
そんなこんなで、結局あたしは渋々ながらも、こうして武ちゃんにスーツを借りにきているのだ。
「武ちゃ〜ん。いる?」
あたしがそう声をかけると、どうぞ、中から小さな声がした。
ガラッと教室の扉を開ける。
「…相変わらず綺麗だよね、この部屋。」
普通の教室の半分ほどしかないこの部屋は、元々何かの部室だったのだけど
今はその部活が廃部になって、こうして武ちゃんが数学の資料を置く場所に使ってる。
許可をとってるのかどうかは……微妙